最新技術・研究 その3
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水産・観賞魚業界の技術は日々、進歩しています。
昔ながらの飼育法にとらわれず、 新たな試みをご紹介いたします。




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連載 第二回
2004年12月27日 掲載

  取引先各社の担当者と打合せするなかで、イトミミズの蓄養期間が最長1週間では
  お客様は毎週、お店へ買いに足を運ばなければなりません。業者としては来店頻度が
  多ければ良いとする営業方法もありますが、お客様の負担が大きいため、1回のイトミミズの
  購入量が少なくなります。イトミミズの管理が手間なので、最悪はイトミミズの使用を断念し、
  逆に来店頻度が低下する可能性が高くなるのが心配です。

  そこで、2週間
の蓄養が可能になれば一回の購入量が増加し、健康な状態で
  給餌できるために一回の給餌量が増え、全体から見れば販売量が大幅に増加すると
  思われます。また、取り扱う業者側も損失が減少するので、その分が価格に反映されるので、
  さらに購入層の拡大が見込めます。

  結果、蓄養方法の目標として2週間を目指すことになりました。

  イトミミズの増殖と言う点では、安価で大量に輸入できる為、増えなくて良いので
  痩せないようにする方法に重点を置く事としました。

  三卯養魚場の地元、大阪では、航空便を利用して、活餌・観賞魚などの生き物を
  合同で輸入する便が、毎日あります。
  つまり、1箱でも数百箱を輸入する時と同じ運賃になり、1箱だけでも直輸入できるシステムです。
  FAXで発注すれば、3日後には関空へ到着します。そのルートでシラサエビやどじょう、イトミミズを
  仕入れることができます。これでイトミミズの安定した入手ルートが確立されました。


  ルートは確立されました。あとは最低2週間、良い状態で維持できる方法の確立です。
  当社には井戸がない為、井戸水の掛け流しができません。止水池での研究を始めることになりました。





三卯養魚場が行なっている研究途中で、
失敗した例をご紹介いたします。

短期間だけなら蓄養ができる方法もありますが、
2週間は無理でした。



マリモ状態で底に溜まる死骸や糞をふるい落とす為、
カ-9ふんこしを吊るし網として蓄養。
すぐに網目から逃げてバケツの底に溜まり、
数日で腐敗。水換えは毎日・
送気あり・水温15℃前後の常温

「床(とこ)」があれば良いと考え、腐葉土と野菜栽培用の土を
カゴに入れ、水深は3センチ程度にして土が湿る程度とする。
すぐにカゴから逃げて水だけの所に移動し、7日ほどで腐敗。
水換えは2日おき・送気なし・水温15℃前後の常温





釣り餌輸入商社の担当者に知り合いがいる為、
ゴカイなどの蓄養方法を教えてもらい、
ろ過面積を多くしてみました。

プラ舟ジャンボ180にGFコードを大量に詰め、
リオ1400で循環。排水は塩ビパイプに取り付けた
1方コックで、それぞれの蓄養槽へ注水する。


水換えは2日おき・送気あり・水温15℃前後の常温

最初の3〜4日は、すべて非常に良い状態でした。
やはりゴカイと同じ様に、ろ過槽が大きければ
イトミミズも元気なのだと、喜んでいたのでしたが・・・。




ホーローボール30センチとチ-9白で蓄養。
下の方から腐りだして全滅。



深めのバケツにウ-5ふんこしで蓄養。全滅
メキシカンハットを想像して、三角錐の吊り網が
良いと思い、洗濯機のゴミ取りネットで蓄養。
翌日にはすべて下へ逃げ、そして腐敗。




水深を浅くした条件での試験として、
ホーローバット八つ切りで蓄養。

ザルに入れたイトミミズの大半は外へ逃げる。

もっとも最後まで状態が良かったが、
最終的にはすべて腐敗。この頃になると
ろ過槽が汚泥の量に対応できなくなり、
激臭が漂っていた。


2005年1月24日 記事追加
写真はありませんが、冷凍庫の10分割・製氷トレーに
イトミミズをそれぞれ、分割して入れてみました。
イトミミズはマリモ状が大きくなると死ぬと言われています。
トレーに入れることで塊を小さくできると考えました。
分けて入れ、水が流れるように注水を開始。
結果は12時間後にはすべて、トレーの外へ逃げ
出していました。逃げると言うことは、イトミミズが好まない
環境であり、小割が良いは限らないことになります。



その他の試験結果

@ホーロー洗面器50センチに、2〜5センチ厚とした
 貝化石粉末、水深5センチとして蓄養。1週間以内に腐敗

 水換えは2日おき・送気あり・水温15℃前後の常温

Aホーロー洗面器50センチに底砂なし、濃い青水で蓄養。
  4〜5日に腐敗。
  
水換えなし・送気
あり・水温15℃前後の常温


Bホーロー洗面器50センチに、2〜5センチ厚とした
 貝化石粉末、水深5センチ、GFコード1メートルを入れて蓄養。
 1週間以内に腐敗

 水換えは2日おき・送気あり・水温15℃前後の常温

Cホーロー洗面器50センチに、ろ過槽の活性汚泥だけを
  3センチ厚、水深5センチとして蓄養。1週間以内に腐敗

 水換えは2日おき・送気あり・水温15℃前後の常温

Dホーロー洗面器50センチに、2〜5センチ厚とした
 貝化石粉末、水深5センチとして蓄養。1週間以内に腐敗

 水換えは2日おき・送気なし・水温15℃前後の常温

Eホーロー洗面器50センチに底砂なし、濃い青水で蓄養。
  4〜5日で腐敗。
  
水換えなし・送気
なし・水温15℃前後の常温


Fホーロー洗面器50センチに、2〜5センチ厚とした
 貝化石粉末、水深5センチ、GFコード1メートルを入れて蓄養。
 1週間以内に腐敗。
 水換えは2日おき・送気なし・水温15℃前後の常温

Gホーロー洗面器50センチに、ろ過槽の活性汚泥だけを
  3センチ厚、水深5センチとして蓄養。1週間以内に腐敗。
 水換えは2日おき・送気なし・水温15℃前後の常温




  イトミミズを毎週3キロ、すべて腐敗させ続ける日々が2ヶ月ほど続き、挫折。
  ネットや関連書物を読みあさり、情報収集を行なうが、突破口が見つからない。
  長期蓄養の情報や試験結果がまったくない。
  出てくるのは、田んぼに生息するイトミミズの話や、自然派石鹸のうたい文句ばかり。

  原点に戻り、生息環境を調べる為、大阪府門真市や大阪市鶴見区内のドブ川の
  水質を5〜6ヶ所検査。
  
  【検査項目】 pH・GH・KH・アンモニア・塩分・溶存酸素・導電率・亜硝酸

  寒くなってから検査した為、イトミミズの姿はありませんでした。
  夏場と異なる水質かもしれませんが、水の採集地すべてで水質が異なる結果と
  なりました。最初の検査地点から分岐して100メートル程、移動するだけでも水質が違う。
  どれを参考として良いのか、余計に迷う結果となってしまいました。



  取引先の卸問屋・金魚担当者と、イトミミズについて語り合う機会がありました。
  同社の熱帯魚温室で、水温30℃のディスカス水槽にメキシカンハットへ
  イトミミズを入れていても死なない。別の水槽では、プラックゴーストにイトミミズを与え、
  完売したので水槽を洗おうと底砂(南国砂)からソフトボール大のイトミミズの固まりが
  出てくるなど、さらに悩ますような情報ばかり。

  水温は30℃と高温、ストック水槽は水深45センチもある。
  今までの常識とはすべて逆の結果で、私の予測に近い結果だったが
  再現できない。毎回、同じ様にイトミミズが元気とは限らないからです。

  何らかの条件さえ揃えば、高水温・深い水深でも蓄養が可能になる。
  それさえわかれば良いのだが・・・。

  この時点での大きな問題点
  @糞または死骸?。水の白濁。
  A臭い。激臭で目に染みるほど。

  大量に排泄される糞(または死骸)を処理できれば、長期蓄養が可能ではないだろうか。
  井戸水の掛け流しでは、大量の糞(または死骸)を大量の水で洗い流すことで問題点を
  解決している。

  しかし、ドブ川にいるということは、自然な摂理から考えれば、イトミミズの役目は
  汚れた汚泥を分解することと想像される。
  川を汚染するようであれば、自分で自分の首を絞める事になるので矛盾する。
 
  



ある時、次々と腐敗していく試験水槽が10数本あるうち、
なぜか1本だけが腐敗しない。それも3週間。

環境
プラケース7リットル・送気なし・水温15℃前後の常温

約50グラム程の少量だが、刺激を与えれば「キュッ」と
マリモ状に引き締まる、元気な証拠。

金魚の水作り用のコンディショナーを開発する上で、
手元に数十種類のミネラル剤があり、遊び半分で
添加した内の1つです。



そのミネラル剤を中心に、様々な試験を開始いたしました。

連載 第三回
2004年1月24日 掲載

掲載内容の無断転用・転記を禁止します。


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